Trinity 使い方 RNA-seq de novo アセンブル

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Trinityは、トランスクリプトーム解析で用いられる「de novo アセンブルツール」です。たくさんのメモリとマルチコアの環境を要求します。100万のペアエンドリードに対して1GB程度のメモリが推奨されています。

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Trinity を使った de novo assemble

基本的な使い方

  • シングルエンドの場合
    Trinity --seqType fq \
             --single single.fq \
             --max_memory 10G --CPU 6
  • ペアエンドの場合
    Trinity --seqType fq \
             --left read_1.fastq --right read_2.fastq \
             --max_memory 10G --CPU 6

よく用いられるオプション

  • –CPU int
    並列化するCPUの数。
  • –max_memory string
    Trinityでの使用メモリの上限。旧バージョンでは–JMとしていたパラメータかな?
  • –SS_lib_type string
    strand specificなRNA-seqを使用した場合の方向指定。
    RF・FR(ペアエンド)、F・R(シングルエンド)のように指定します。
    デフォルトは、not strand-specific。
  • –min_contig_length int
    報告する際の、アセンブルされたコンティグ最小長さ。デフォルトは200。

Trinityアセンブル結果の評価

Contig Nx(N50)

Trinityのutilityを使って、アセンブル結果(trinity_out_dir/Trinity.fasta)からN50などの情報を得ることができます。

$TRINITY_HOME/util/TrinityStats.pl Trinity.fasta

出力例)
################################
## Counts of transcripts, etc.
################################
Total trinity 'genes':	89999
Total trinity transcripts:	199999
Percent GC: 49.99

########################################
Stats based on ALL transcript contigs:
########################################

	Contig N10: 3999
	Contig N20: 2999
	Contig N30: 2999
	Contig N40: 1999
	Contig N50: 1599

	Median contig length: 500
	Average contig: 800.00
	Total assembled bases: 100000000
...続く...

より便利なContig ExN50

transcript abundance estimation作業のデータを使って、より便利なExN50の情報を得ることができます。アセンブル結果に含まれがちな、短く・低発現のコンティグ情報を理解するのに役立つかもしれません。

$TRINITY_HOME/util/misc/contig_ExN50_statistic.pl \
     transcripts.TMM.EXPR.matrix Trinity.fasta | tee ExN50.stats

出力例)
#E	min_expr  E-N50 num_transcripts
E1	7189.679  285	2
E2	5155.110  558	4
E3	2699.540  558	8
E4	2194.672  1856	12
E5	2194.672  1856	17
E6	1787.996  1856	23
E7	1416.918  1843	31
E8	1243.634  1594	39
E9	1136.093  1843	48
E10	1136.093  1594	58
...
E50	  59.416  1700	2808
...
E80	   8.623  1928	16808
...
E90	   2.355  1888	39602

ツール情報

RNA-Seq De novo Assembly Using Trinity

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