Pythonのlinalg
パッケージは、線形代数に関する機能を提供しています。その中でも、lstsq
関数は、最小二乗法により線形方程式の近似解を求めることができます。以下にlstsq
関数についての詳細を説明します。
lstsq関数について
lstsq関数とは
lstsq
関数は、以下のような形式で使用します。
numpy.linalg.lstsq(a, b, rcond='None')
ここで、引数は以下の通りです。
a
: 2次元のnumpy配列。連立方程式の係数行列を指定します。b
: 1次元もしくは2次元のnumpy配列。連立方程式の定数項もしくは定数項ベクトルを指定します。rcond
: float型。SVD分解で特異値を0とみなすための閾値を指定します。デフォルト値は'None'
です。
戻り値として、以下の4つが返されます。
x
: numpy配列。連立方程式の近似解を表す配列です。詳細は後述します。residuals
: numpy配列。残差の2乗和を表す配列です。rank
: int型。係数行列のランクを表します。s
: numpy配列。係数行列の特異値を表します。
lstsq関数の使い方
以下に、lstsq
関数の具体的な使用例を示します。
import numpy as np
# 連立方程式の係数行列を定義
a = np.array([[1, 1], [2, 1], [3, 1]])
# 連立方程式の定数項ベクトルを定義
b = np.array([2, 3, 4])
# lstsq関数で連立方程式の近似解を求める
x, residuals, rank, s = np.linalg.lstsq(a, b)
# 結果の出力
print(x)
この例では、a
とb
を用いて、以下のような連立方程式を解きます。
a[0, 0] * x[0] + a[0, 1] * x[1] = b[0]
a[1, 0] * x[0] + a[1, 1] * x[1] = b[1]
a[2, 0] * x[0] + a[2, 1] * x[1] = b[2]
この場合、x
の値は[1, 1]
になります。
lstsq関数の注意点
lstsq
関数で求めた近似解は、線形方程式の解ではなく、最小二乗法を使用して求めた、連立方程式の最小二乗解です。- 入力行列は、浮動小数点数の型である必要があります。
- 行列のサイズが大きい場合は、計算時間が長くなる可能性があります。
- lstsq関数は、NumPyの線形代数モジュールで定義されているため、import文で線形代数モジュールをインポートする必要があります。