Linux基本コマンド:ディレクトリの内容をシンプルに表示「dir」 の使い方

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バイオインフォマティクスでは、大量のデータを扱うため、Linux の基本コマンドを駆使することが求められます。その中でも、ファイルやディレクトリを素早く確認するための dir コマンド は、作業の効率化に役立ちます。本記事では、dir コマンドの基本から応用までを詳しく解説します。


1. dir コマンドとは?

Linux では、ディレクトリの内容を表示するために ls コマンドが広く使われていますが、実は dir コマンドも同様の機能を持っています。dir は、ls の簡易版とも言えます。

dir の特徴

  • ls とほぼ同じ役割を持つ
  • 出力形式がデフォルトでシンプル
  • ls よりも軽量で、特定の環境では高速

2. dir コマンドの基本的な使い方

2.1 ディレクトリの内容を表示する

dir

カレントディレクトリ内のファイルとフォルダを一覧表示します。

2.2 特定のディレクトリを指定して表示

dir /home/user/documents

指定した /home/user/documents の内容を表示します。

2.3 隠しファイルを含めて表示

デフォルトでは、dir. で始まる隠しファイルを表示しません。隠しファイルも表示するには -A オプションを使います。

dir -A

2.4 詳細情報を表示する

dir -l

通常の ls -l に相当し、ファイルの詳細(パーミッション、所有者、サイズ、更新日時)を表示します。


3. dir コマンドの応用

バイオインフォマティクスでは、大量のファイルを整理・確認する機会が多くあります。そのため、dir の応用的な使い方を知っておくと便利です。

3.1 拡張子ごとにファイルを分類して表示

バイオデータ解析では、FASTQ、FASTA、VCF などの異なるフォーマットのファイルを扱います。dir を使って、特定の拡張子のファイルだけをリストアップできます。

dir *.fastq

または、複数の拡張子を同時に指定することも可能です。

dir *.fastq *.fasta *.vcf

3.2 ファイルをサイズ順にソート

シーケンスデータや解析結果のログファイルは巨大になることがあります。dir-S オプションを使うと、サイズ順にファイルを表示できます。

dir -lS

補足:デフォルトでは降順(大きいファイルから表示)になります。小さいファイルから表示したい場合は -r(リバース)オプションを追加します。

dir -lSr

3.3 更新日時順にソート

最近変更されたファイルを確認するには -t オプションを使います。

dir -lt

また、-r を加えることで、最も古いファイルを先に表示できます。

dir -ltr

3.4 ディレクトリのみを表示

特定のプロジェクトのディレクトリ構造を把握したい場合、ディレクトリだけを一覧にできます。

dir -l | grep "^d"

このコマンドは、出力の先頭が d(ディレクトリを示す記号)で始まる行のみを抽出することで、ディレクトリ一覧を作成します。

3.5 ファイル数を数える

バイオデータ解析では、特定の種類のファイルがいくつあるかをカウントすることが重要な場合があります。

dir -1 | wc -l

このコマンドは、各ファイル・フォルダを1行ずつ出力し、それを wc -l でカウントすることで、総数を表示します。

また、特定の拡張子のファイル数を数えたい場合は、以下のようにします。

dir -1 *.fastq | wc -l

4. dir vs ls:どちらを使うべきか?

機能dirls
デフォルトの出力シンプル(横一列)詳細情報を含む(横一列または列表示)
隠しファイルデフォルトでは表示しないls -a で表示可能
ソート機能あり (-t, -S, -r など)あり (-t, -S, -r など)
実行速度軽量(環境による)dir より多機能な分、若干遅い
よく使われる場面基本的なファイル一覧の確認詳細なファイル情報の取得

ほとんどの場合 ls を使えば事足りますが、dir はシンプルな出力が欲しいときや、軽量な処理を求めるときに有用です。


5. バイオインフォマティクスにおける dir の活用シナリオ

バイオインフォマティクスの解析パイプラインでは、多くのデータファイルを効率よく整理・管理する必要があります。例えば、以下のような場面で dir が役立ちます。

5.1 次世代シーケンス(NGS)データの管理

NGS のデータ解析では、数千個の FASTQ ファイルが生成されることがあります。特定のディレクトリ内の FASTQ ファイルを確認するには、dir を活用できます。

dir -l *.fastq

5.2 ログファイルのチェック

解析パイプラインのエラーログや実行ログを更新日時順に表示し、最新のものを確認。

dir -lt logs/

5.3 プロジェクトディレクトリの管理

研究プロジェクトごとのディレクトリを把握しやすくするために、ディレクトリのみを表示。

dir -l | grep "^d"

6. まとめ

  • dirls の軽量版として、シンプルなファイル一覧を表示するコマンド
  • -A, -l, -S, -t, -r などのオプションで便利なソートやフィルタリングが可能
  • バイオインフォマティクスでは、NGSデータの管理、ログチェック、ディレクトリ管理などに活用できる

Linux の基本コマンドを活用することで、バイオデータ解析の効率が大幅に向上します!!

まずは dir コマンドを試してみて、自分のワークフローに取り入れてみましょう〜!

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