データを理解する方法の1つに「グラフ」があります。詳細なデータをまとめた表に比べると「詳細さ」は劣りますが、データの全体像を理解しやすくなります。そして、目的に応じたグラフを使うことが大事です。Rを使って、色んなグラフを描画してみましょう。今回は、「折れ線グラフ」です。

折れ線グラフ
特長
折れ線グラフは、隣同士の点を線で結んだグラフです。横軸に時間をとり、縦軸の時間変化をみるデータに用いられる場合によく使われます。また2つ以上のデータを比較したり、グループ毎に値を比較する場合などに用いられます。
グラフの描き方
組み込みデータセットのcarsを使用します。折れ線グラフには、Lowess平滑化したデータを用います。Rで折れ線グラフを描くときは、plotを使います。オプションのtypeを指定することで、折れ線グラフを描画することができます。デフォルトは点グラフです。
> cars
> str(cars)
'data.frame': 50 obs. of 2 variables:
$ speed: num 4 4 7 7 8 9 10 10 10 11 ...
$ dist : num 2 10 4 22 16 10 18 26 34 17 ...
> summary(cars)
speed dist
Min. : 4.0 Min. : 2.00
1st Qu.:12.0 1st Qu.: 26.00
Median :15.0 Median : 36.00
Mean :15.4 Mean : 42.98
3rd Qu.:19.0 3rd Qu.: 56.00
Max. :25.0 Max. :120.00
> png("plot_car.png")
> plot(cars)
> dev.off()
> png("plot_lowess_line.png")
> plot(lowess(cars), type="l", xlab="Speed (mph)", ylab="Stopping distance (ft)")
> dev.off()
> png("plot_lowess_line2.png")
> plot(lowess(cars), type="l", xlim=c(0,30), ylim=c(0,100), ann=F)
> par(new=T)
> plot(lowess(cars*1.2), type="l", lty=2, xlim=c(0,30), ylim=c(0,100),
xlab="Speed (mph)", ylab="Stopping distance (ft)")
> dev.off()
グラフの例
plot_car

plot_lowess_line

plot_lowess_line2

グラフ描画について
折れ線グラフは、組込みデータ「cars」をグラフ表示しました。plot_carではデフォルトの点グラフ、plot_lowess_lineでは、Lowessにて平滑化したデータについて「type=”l”」オプションを指定し、折れ線で描画しました。plot_lowess_line2では、同データを1.2倍したデータを重ねて「点線」で描画しました。重ねる場合に注意すべき点は、軸の名称とデータの範囲です。軸の名称は、1回目の描画で非表示にしました。データの範囲は、1回目と2回目でずれるので、xyそれぞれで範囲を固定しました。尚、グラフを重ねる時は、グラフィックスパラメータ「par」で「new=T」を指定します。
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