blastn で完全一致の連続領域を探索する方法
blastn オプション word_size
blastn
のパラメータ-word_size
は、完全一致の初期長さを設定します。長さを指定すると、「完全一致が連続する場所」で「指定長さを満たす」部分が見つかった場合に結果を返すようになります。blastn
のword_size
デフォルト値は11(整数4以上)です(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK279684/)。デフォルトの設定よりも長い、「完全一致が連続する領域」を探したい場合は、-word_size
をより大きい値に変更します。
一方で、blast を使って思うような結果が得られない場合、データに対して -word_size が長すぎる場合があります。あまり短いと意味がないかもしれませんが、「完全一致の連続が11よりも短いかも?」と思う場合は、-word_size を小さな値に変更すると結果が得られることがあります。
blastn word_size 変更例
完全一致の連続領域の長さが156塩基のquery1.fa(約700塩基), db1.fa(約2000塩基)の2つの塩基配列について blastn を実行した結果です。「-word_size 156」に合致する領域を検出して結果を返します。
$ blastn -query qy/query1.fa -db db/db1.fa -word_size 156 ... Q GTACATCAGCAAATTAGAAATGCTGGAAATCCTGCAGGCAAACTATAAGATGGTTTCTTC ||||||||||||| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| S GTACATCAGCAAAGTAGAAATGCTGGAAATCCTGCAGGCAAACTATAAGATGGTTTCTTC Q AGTAATGAAAATGCCAGAGGATGAGTCAACACGAGAGAATTGGACAGAGAAAATATTTCG |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| S AGTAATGAAAATGCCAGAGGATGAGTCAACACGAGAGAATTGGACAGAGAAAATATTTCG Q GCAAATGGATACCAACCGAGACGGAAAACTCTCATTGGAAGAATTCATCAAAGGGGCAAA |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ||||||||| S GCAAATGGATACCAACCGAGACGGAAAACTCTCATTGGAAGAATTCATCAGAGGGGCAAA ... #青文字部分:完全一致の連続領域(156文字)
次に、「-word_size 157」を指定すると、「No hits found」として結果が得られません。「完全一致が連続する領域」が157より短いからです。
$ blastn -query qy/query1.fa -db db/db1.fa -word_size 157 ***** No hits found *****
blastn word_size 使い分け
これらのことを利用すると、blastn
を使って「完全一致の連続領域」を「指定長さで探索する」ことができます。長い領域を探索したい場合は、-word_size
を大きい値にします。短くする場合は小さい値にします。blast
で結果が得られず、連続領域が短いと思う場合は-word_size
を小さくするとblast結果が得られることがあります。
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